ギヤモーター・ギヤポンプのパイオニア
ツカサ電工株式会社

ご使用上の注意

HOME > モーター事業 > 技術情報 > ご使用上の注意

過負荷およびロック対策について

モーターは運転中、巻線や鉄心の内部より発生するエネルギーのために発熱し、徐々に温度が上昇します。負荷が定格範囲内であれば発生熱量と放射熱量が均一となり一定の温度で飽和します(この状態では巻線の焼損はありえません)。 しかし、過負荷状態やモーターロックなどが起こると発生熱量が高くなり、この状態が続くと巻線の絶縁被膜が溶けて巻線同士がショートしてしまいます。このショートのことをレアショートと呼びます。
* 具体的な保護対策として、当社では(株)レイケム製ポリスイッチを推奨しています。(復帰性電流保護素子) * 代表例として、モーターロック時のレアショートまでの時間を右表に記します。
  レアショートまでの時間
TG-47A、24V 温度飽和
TG-47B、24V 温度飽和
TG-47C、24V 16.0分
TG-06D、12V 3.75分
TG-06E、24V 4.75分
TG-85B、12V 3.60分
TG-85C、24V 2.75分
TG-85E、24V 1.00分
TG-01F、24V 温度飽和
TG-01G、24V 4.25分
TG-01H、12V 5.75分

低速運転時の注意

DCモーターの場合は、カーボンブラシ付きのモーターがほとんどです。このカーボンブラシは、ブラシと整流子が接触して回転していることによる機械的な摩耗と整流の火花に起因する電気的な摩耗があります。
モーターを低速で回した場合、ブラシ摩耗粉が整流子の溝部に堆積して短絡現象を起こすことがあります。この現象により、モーターの焼損やモータードライバーの焼損を起こすことが考えられますので、十分にご注意ください。

電気ノイズ対策

電気ノイズ対策

PWM制御時の注意

PWM制御を行う場合は、定格電圧でかつ電圧を一定に保った状態での使用時よりもブラシ寿命が短くなります。また、使用される周波数帯域によっては、ブラシの摩耗を著しく促進させることがあります。DCモーターのPWM制御は10~20kHzが一般的です。また、PWM制御はON-OFFの繰り返しによる省エネ制御ではありますが、モーターの部品と使用周波数帯域によっては共振を起こし高熱が発生する場合があります。ご使用にあたっては、実機による入念な確認をお願いいたします。

 

*PWM制御を行う際は、電解コンデンサを内蔵したモーターを使用すると特定の周波数や使用状態においてモーターが回らない場合があります。

この場合、バリスタ内蔵のモーターを選定してください(ただし、実験が必要です)。

連続運転時の注意

連続運転にてご使用される場合は、連続運転用ギヤヘッドをご活用ください。断続運転用ギヤヘッドを連続運転で使用されますと、摺動部であるギヤの内径と軸などが発熱を起こし、最悪の場合、焼き付きを起こします。
(ギヤロック状態)焼き付きまでの時間は、ギヤヘッドのタイプや使用状態で異なります。

ギヤヘッド性能はこちら

オーバーランとショートブレーキについて

モーター回転子は電源をOFFにしても、一定時間は惰性で回転します。これをオーバーランと呼びます。オーバーランを瞬時に止める方法として、電源OFF時に端子間を短絡させるショートブレーキがあります。

* ショートブレーキの利用については、モーターの発電作用(逆起電圧)を利用しているために、電流値が一時的に高くなりブラシの寿命を縮める作用がありますのでご注意ください。

* 主なモーターのデータを右表に示します。

機種名 端子間ショート 端子間オープン
TG-47A、24V 1.6回転 8.9回転
TG-47A、24V 2.5回転 18.4回転
TG-47C、24V 4.0回転 29.4回転
TG-06D、12V 5.9回転 48.9回転
TG-06E、24V 3.8回転 49.0回転

瞬時反転時の注意

モーターが止まり切らないうちに逆転させようと電源の極性を逆にすると、モーターの惰性による発電作用(逆起電圧)と逆方向に起動するため印加した電流との和の過大な電流が、通常の運転に戻るあいだ流れ続けます。
このことにより、最悪の場合はドライブk版の破損やモーターの焼損が考えられますので十分にご注意ください。

瞬時反転時の注意

取り付け上の注意

製品を上向きに取り付けると、微量のギヤグリスが少しずつモーターの内部に進入することがあります。この油分がブラシと整流子の接点に達するとブラシの摩耗が著しく早まり、その粉によって整流子間がショートする場合があります。このような事故を未然に防ぐ方法として、当社では防油対策を各モーターごとに準備しています。
防油対策を希望される場合は、ギヤドモーター品番の説明をご覧ください。
各種ギヤモーターには、ユニット等への取付用タップ(一部マル穴)が設けられています。当社カタログに記載されているタップの有効深さをご確認いただき、ギヤヘッド内部の部品と接触するような長いネジのご使用はお避けください。

追加工の注意

ギヤモーターの出力軸等を加工すると、加工時の衝撃・荷重・振動によりネジのゆるみ・歯車のかみ合いのズレ等が発生し、製品の仕様を損なうことがありますのでご注意ください。

半田付けの注意

ギヤモーターの入力端子にリード線等を半田付けされる場合、半田ゴテの加熱によりモーターの部品が溶解したり、内部構造に支障をきたすことがありますのでご注意ください。

動力伝達

プーリー(ベルト・チェーン)・ウォームギウヤ等により動力を伝達する場合、出力軸に許容以上のラジアル荷重・スラスト荷重が加わらないようにご注意ください。

ギヤヘッド性能はこちら

歯車等の取り付け

ギヤモーターの出力軸にプーリー・歯車等を取り付けられる際は、下記の点にご注意ください。
・接着剤による取り付けの場合、接着剤がギヤヘッドの軸受けに付着しないようにしてください。また、揮発性接着剤を使用すると、整流子汚染を招きモーターの性能を損なうことがありますのでご注意ください。
・圧入による取り付けの場合、出力軸に許容以上のスラスト荷重が加わらないようにしてください。

ギヤヘッド性能はこちら

使用・保管環境

右記、当社許容範囲外の環境下でギヤモーターを保管・ご使用されますと、構成部品の腐食等が発生し、製品の仕様を損なうことがあります。
また、許容範囲内であっても長期にわたる保管や周辺環境によって腐食が発生することがありますので、ご注意ください。

  温度 湿度
使用環境許容範囲 -10 〜 +50度 20〜90%(結露なきこと)
保存環境許容範囲 -20 〜 + 60度 10〜95%(結露なきこと)

衝撃・落下

ギヤドモーターに落下等の衝撃が加わると、部品の破損・ネジのゆるみ・歯車のかみ合いズレ等が発生し、不具合の原因となります。

入力端子

入力端子に落下等の衝撃が加わると、モーター内部の端子接続部等にストレスが加わり導通不良等が発生し、不具合の原因となります。

出力軸側からの回転

ギヤドモーターを出力軸側から回転させないでください。ギヤ破損の原因となります。

寿命について

寿命については、別途営業部までお問い合わせください。

●本社営業部 TEL 03-5340-0331